目次
概要
- 社会生活を営むとコミュニケーションがとにかく大事になる
- その上で、何がコミュニケーションで大切かと言うと目的と前提だと思う事が多々ある
- 特に生物が主体のモノには大体目的が隠れている
- 文章を書く時も、日常での会話も全て、何の目的があるのかを見極める事が大切
- また、論理的に話すには必ず前提を明確にする事が必要
- コミュニケーションにおける前提とは共通の条件や仮定などの出発点の事
- 目的が到着点だとしたら、前提は出発点
- これらがぶれると話がかみ合わなくなってしまうし、意図を読み切れなくなる
前提論
コミュニケーションにおける前提について
- コミュニケーションは社会人の必須のスキル
- 特に難しい概念や複雑な事を相手に伝える事が求められる
- 例えば、売り手と買い手の関係などでは基本的に素人に説明しなければならない
- これは情報の非対称性が理由である
- その時に物事を簡単にしたりシンプルにしたりするのは必須
論理的思考の大切な事
- 論理的思考で一番大切な事は、言わずもがな
前提を明確にする事
- 物事の第一原理も結局は前提
- 何を前提にするかで話は変わる
- 例えば、
都市の交通問題を解決
が議題 - 経済発展を優先するのか、環境保護を優先にするのかの視点がある
- 前提として環境保護を優先にするとしていた場合は、それを知らないと話がブレてしまう
- そもそも論となってしまう
- 例えば、
- 言うならば話の道筋を作る物
- これがないと議論ができなくなる
- そもそも論も大事だが、TPOによる
会話の中での上図な物事の教え方
- Twitterで見た青田努さんの画像が一番しっくりきた
- 物事を正確に伝える事は、ある意味人間という生体LLMへのTrainingと見なせる
- もちろん一番大事なのは前提だが、それ以外にも大切な事がある
事実と意見の分離
- 事実と意見の分離も前提を明確にすることの1つ
- 特に意見だけ出しても、事実の共有がないと話が浮いてしまう
- 他方事実と意見がごっちゃになると何が意見なのかが分からなくなる
- 科学実験のレポートや論文と同じで、実験結果として事実を分離するべき
- その上で意見をまとめるのが一番分かりやすい
- これはファクトベースという話にも繋がる
- 現実を直視して判断する事になる
数学的なコミュニケーション
- 言葉が文字で形式化されるように数字の計算も代数で形式化される
- いわゆる項やオペランドが前提で、その結果を推論して算出する
- また、論理包含もまさにその一つ
- 下の $P \Rightarrow Q$において、PはQの前提(命題)となる
- もしPが正しいならば、Qが正しいという論理式
$$ P: 東京に住んでいる \\ Q: 日本に住んでいる \\ P \Rightarrow Q $$
- 論理包含を図にすると次になる
- 話し合いにおいても条件付きの主張などは明確にしないと分かりづらくなるので注意
- 他には、次も前提を合わせる事に過ぎない
- ユークリッド幾何学の公準や公理など
- ニュートンのプリンキピアにある基本的な古典力学の法則
前提を合わせる事が大事
- 安易なマネの例
- 人間はマネで学ぶ生物
- TPPなどはビジネスでは有名
- ただし、前提条件が合わないといけない
- 科学の再現性
- 前提を合わせれば同じ結果になる
- コミュニケーションで正直ベースでないと発生する
- 嘘を付くと、後々大きな問題になる
- コミュニケーションが上手く同期されない時
- 上手くいかない場合は、スクラムコーチ、デイリースクラム
- 前提を合わせる行動、もしくはPDCAのチェックがデイリースクラム
目的論
小さな争いについて
- ある友達が別の友達と喧嘩していた
- 外から見ると些細な事
一切合切全部道具
- この喧嘩で思うのが、結局、一切合切全部道具である
- つまり、プラグマティズム(極端だが)に考えると世の中の事は全部道具に過ぎない
- 人間関係も然り
- つまり、憎しみ合っても意味がない
- 全ては自分の道具なので、ある意味アセット
- つまり、手段、ツール、道具を毀損する必要はない
- 故に喧嘩せずに、仲良くするのが一番
ストレスの発散が目的の場合
- 別の考えでは喧嘩の目的はストレスの発散でもある
- おそらく言う事自体が目的となった、
自己目的化
のパターン - 喧嘩中はとにかく感情の発散が目的になっている
- そのため、一旦距離を取って冷静になってから話すべき
- ミーティングなどではヒートアップしたら15分休むのがいい
人生は短い
- そもそも人生は短い
- life is too short to hate others
- 喧嘩せずに距離を取るのが正解
- 妥協できる所は妥協するのが一番
話し合いのケース
目的の見極め
- 相手と話している時は、相手の伝えたい事、話している目的を見極めることが大切
- その上で、相手の真の目的を見極める
- 相手の目的は、端的に次の言葉で言い表される
- 背景
- 理由
- 真の理由
- 目的
- パーパス
- 意味
- オブジェクティブ
期待値の見極め
- また自分に何を期待しているのかを考える必要がある
- 期待しているモノを理解した上で相手の要望に対して答えるのが大事
- これを理解しないと永遠と堂々巡りの平行線になる
意図の見極め
- 相手の言動をそのまま真に受けるのは良くない
- その背景や目的、何をこちらに期待しているかを深く考える必要がある
- その上で、目的が先行して現象が発生するので、目的を見極める慧眼が必要
- なぜ相手が話しているのかを考える事は、これもある意味目的論
- 言葉は意図を表現したa expressionでしかなく、その裏に意図があると言う事
- 意図を掴めば1回で済むが、掴まないと1000回聞いても終わらない
相手のメリットを伝える
- こちらから話すときは、なぜこの話し合いが必要かという相手の疑問に答える必要がある
- 次のようなものがそのキーワードになる
- 価値
- 利益
- 狙い
- イシュー
- 課題
- メリット
- ベネフィット
前提の理解
- 話し合いの前提を理解するのも大切
- 不文律だったり、素でに共有されている前提で進むことも多い
- もしくは意図的にしゃべっていない場合もある
- 次のようなものがそのキーワードになる。
- テーマ
- タイトル
- コンテキスト
- 背景
言いたいのに言えないパターン
相手に自発的に言わせたいパターン
- 例えばカネの無心もその一つ
- 自分からは言いたくないが、相手に言わせようとしているパターン
- 婉曲的に表現して相手からその話題を言わせようとすることもある
- 一貫性の法則を利用したパターン
- 自らの行動や発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理が働くのを利用している
- 故に自ら助けるように仕向ける
- 男女関係で多い
- 自分から言うとあからさまになるから
立場上言えないパターン
- 関係から生まれる歪のパターン
- 例えば、クライアントとデベロッパー
- デベロッパーは分かっていなくても、クライアントに聞きづらい
- なぜなら、プロとして仕事を請け負っているから
- そして、それが長く続くとデベロッパーの開発速度が遅くなって余計に信頼を失うパターン
- 遠慮する必要はない、ドメイン知識で分からない事はどんどん聞いてくれと前提を打つ必要がある
- もしくはオンボーディングするのが一番
病気のせいとするパターン
- アドラーの赤面症の少女の例の事
- 赤面になるから告白できないのではなく、告白したくないから赤面になる
- つまり、原因から目的ではなく、目的があるから原因が発生したという事
- 人間は自愛の効果で自分の行動を無意識に肯定・正当化するようになっている
- 人は言いたい理由を言っているだけだが、そのワケを分からず話しているパターンも多い
- これも目的論的な解釈になる
- ベイズの法則のように逆転している
思っている事とやっている事が違うパターン
マックのアンケート
- マグドナルドのサラダマックのエピソード
- ある消費者アンケートでは欲しい物の 1 番は「サラダ」だった
- そこで「サラダマック」を投入したが、もっとも売れたのは「メガマック」だった
つまり、次が言える。
- 思いと行動はまるで別物
- 「マクドナルドでヘルシーなものが食べたい」というのは、行動にならなかった
- こってりラーメンを背徳感がありながらも食べてしまう心理と同じ
- 別の言い方をすれば、意見は数値に変換しても真実ではない、あくまで真実は実際に行動した現実の中にある
- もちろん、人間が一貫した強い目的意識を持つのであれば、サラダマックを食べた気はする
無意識に引っ張られているパターン
寛大な裁判官
- ただし、人の意志が全て目的で決まると言う事ではない
- 寛大な判決の例がいい例
- 裁判官は食後だと判決が食前より寛容になる傾向がある
- これをHungry judge effectと言う
- つまり、目的が全てではなく、環境や状況にも大きく影響をうけている
- 端的に言うと、hangry(hungry+angry)と言う事
わざと別の事を言うパターン
結婚式の披露宴や政治家のスピーチ
結論
- 目的論(Teleology)ではないが、生物の動きには、目的を中心とした、まさにダイナミズムがある
- 他方、非生物の動き(例えば地球など)は機械論(Mechanism)だと思う
- 事物の理由は、目的論と機械論の二元論から、考えるのいいかもしれない
- 相手の発言や行動には、
眼光紙背に徹す
る事が大切 - 少なくとも人が介在するモノには全てに意味や理由(目的)がある
- また、相手に正確に伝えるには前提が必須
- 世の中の話し合いでは論理的に話す一番大切なものは、
前提条件を明確にする
事 - これなしでは話が飛んでしまうので、常に意識することがある
- 総じて、
コミュニケーションの終着地点(目的論)と開始地点(前提論)
が大切
参考文献
- 人を動かす6つのアプローチ、「影響力の武器」とは? | CONTENT MARKETING LAB(コンテンツマーケティングラボ)
- Hungry judge effect - Wikipedia
- ガリレオ・ガリレイ名言(日本語、英語) - eStory Post
- <「統計学は科学の文法である」とKarl Pearsonは言った>および<K.Pearson=記述統計 vs R.A.Fisher=推測統計>という言説に関して - Tarotanのブログ
- “Premise” or “Premises”?
- 204. premise “前提” | 英単語暗記をわかりやすく
- The 20% Statistician: Impossibly hungry judges