Featured image of post 朝倉未来の敗因の考察

朝倉未来の敗因の考察

目次

背景

  • 2024年7月28日、さいたまスーパーアリーナでMMA1の祭典、超RIZIN3の興行があった
  • その興行では、メインマッチで朝倉未来 vs. 平本蓮のMMAの戦いがあった
  • その戦いでは、平本蓮が朝倉未来を1ラウンドでKOした
  • その結果、朝倉未来は試合前の宣言通り引退してしまった
  • 個人的には朝倉未来を長年応援していたので相当悔しいし切ない
  • そこで、なぜ朝倉未来が今回の戦いで負けたのかを簡単に考察した

NOTE:

  • もちろん勝負事なので偶然もあるだろう
  • そして、著者は格闘技の素人なので悪しからず

結論

ステ本がドーピングをしていた。

結論

  • 結論として、朝倉未来の敗因は、複合的な理由がある
  • しかし、特にメンタル面の弱さが深刻であると結論づけた
  • 近年は「決死で戦う」事ができなくなったからである

分析結果

朝倉の技術面

立技

  • 結局、朝倉未来の戦い方は以下である
    • 戦闘方法: 威圧をかけて相手を誘ってカウンターをするタイプ
    • 戦闘の特徴: 反射神経と空間認識能力を使って距離感を支配する
    • パンチ技: バックステップからの右フックのカウンターと大振りの左ストレートなど
    • キック技: 三日月蹴りやハイキック、テンカオ、カーフキックなど
  • つまり、待ちを主体としたある意味オーソドックスな戦い方である
  • そして、最近はその戦い方を読まれる事が多くなった
  • そのため、キックボクシング出身の選手に対しては、ストライキングで負けている印象がある 寝技
  • 朝倉未来選手はストライカーなのでパウンドでしか寝技は使わない
  • 公式試合ではグラップリングで一本を決めた事は、20戦以上行い樋口武大戦のみ
  • また、2021年のボンサイ柔術のクレベルとの試合では寝技で圧倒されていた
  • もちろん、ケージではなくリングだったからグラップラーが有利だったのかもしれない
  • しかし、一流の寝業師と戦ったらテイクダウンディフェンスをしきれなかったのも事実である 戦略
  • 朝倉未来の戦略面も疑問が残る
  • これまで、直近でケラモフ、YA-MAN、平本蓮と、3連続1ラウンド為す術なくKOされている
  • つまり、相手への分析の失敗や何か戦略ミスがあった可能性がある
  • プロの選手である為、おそらく朝倉未来陣営もしっかり戦略を練っていたと思う
  • また、深い戦略があっても、敗軍の将は兵を語らずだったのかもしれない
  • ただ、意思疎通が難しい外国人コーチとどこまで深い戦闘論やロジックを作ったかは疑問が残る

朝倉の心理面

慢心

  • 朝倉未来には、平本戦に対する過信・慢心・傲慢さによる油断があった
  • 試合10日前のサウナ動画では、朝倉未来は明らかに平本蓮を見くびっていた
  • その特徴について、那須川天心に油断大敵だと指摘されていた
  • 朝倉未来の心理的には「勝てるだろう」という思い込み(強がり、過信)が表れていた
  • また、サウナ動画では、対平本戦への深い戦略論の議論は見られなかった
  • もし本当に天心と深い格闘論がなかったら、あまく考えていたのではないだろうか? ハングリー精神
  • また、朝倉未来はYoutubeとサイドビジネスで資産を築いた
  • そのため、朝倉未来は近年、ハングリーではなくなってしまった
  • 朝倉未来はケラモフ敗戦後、K1の元世界王者の魔裟斗に次のようなアドバイスをもらっていた
    • 格闘技一本に絞れ
    • 練習以外の時間をどう格闘技と向き合うかが大事
  • しかし、何かを捨ててまで、持たざる者へとなり下がる事は朝倉未来はできなかった
  • 昔と比べて、おカネを稼ぐために格闘技で勝たなければならない事はなくなってしまった 決死の覚悟
  • 最近の朝倉未来は、戦いに対して決死の覚悟も失われてしまっていた
  • 朝倉未来の著書では 「本当に死んでもいいと思っているからこそ、心の底から開き直れる」(p. 111)と記されている
  • しかし、別のインタビューでは、試合はもう緊張せず、スパーリングのようだとも語っていた(todo: 引用)
  • スパーリングでは決死の覚悟は生まれないため、実質上、決死の覚悟で戦う事はなくなってしまった

平本の勝因

他方、平本の勝因は次になる。

  • 平本は試合前は露出を控えて意図的に情報をコントロールしていた
  • 朝倉の弱点を突くため、堀口ステップ2を習得していた
  • その堀口ステップによってフェイントをかけて勝負を決めた
  • テンプルと顎を高精度に打ち抜いて追撃でダウンさせた

その他

また、今回の興行の試合で印象的だったのが、元K1王者でRIZIN選手の久保優太選手。
彼は朝倉未来のライバルの斎藤裕を同じ興行で圧倒してKOした。 彼の試合後のインタビュー動画から、次の事が分かる。

  • 相手の強み・弱み、癖(パターン)を研究して対策を立てている
  • 相手の情報を予習して勝つプランとシナリオを作り戦っている
  • 相手を強みを封じて盤面を支配し、相手を自分のフィールドに誘い出し戦っている もちろん、内的要因だけが全てではなく、自己奉仕バイアスがかかっている事も留意する必要がある。 しかし、久保選手は朝倉未来とは対照的に、油断せず相手をしっかり分析し、運否天賦ではなくロジックで想定通り勝ったという事は事実である。

総論

  • 2024年7月28日に行われた超RIZIN3では朝倉未来は平本蓮に負けた
  • 朝倉未来の敗因は、複合的な理由があるが、過信が原因であると考察した
  • その根因は、総じて「死ぬ気で戦えない」という事にある

あとがき

  • まだRIZINのフェザー級が群雄割拠になっているので、今後の覇権争いが楽しみである
  • 獅子搏兎ではないが、強がりを見せず平本蓮を恐れて、全力で狩るべきだった
  • また、朝倉未来は自身の著書の55ページあたりで次のように述べている。
    • > 目標設定が悪いのか、工夫の仕方が悪いのか、とにかく何かしらの原因があることは間違いないのだから、それを洗い出す必要があって、そのためためには広い視野を持つことが重要。
      (中略)
      物事を始める前にかなり勉強や研究をするので、非現実的な目標設定をしたことがない。
  • つまり、朝倉未来は客観的かつ現実的に考え、無駄な事はしたくないのだろう
  • 故に、別の目標設定をして、新しい事を成就する事に期待する

参考文献


  1. MMAはMixed Martial Artsの略。MMAは打撃技、組み技、寝技などの格闘技の様々な技術を駆使して試合で勝敗を競う格闘スポーツ。 ↩︎

  2. 堀口ステップは堀口恭二が使う左右の高速ステップ ↩︎

Built with Hugo
テーマ StackJimmy によって設計されています。