背景
- たまにPDCAは工場などで使われる単なる生産管理ツールだと思い込む人がいる
- しかし、開発したW.デミング博士はscientific approachと説明している
- つまり、品質の管理手法というより、仮説検証の実験手法に近い
- そこで、科学的な計画と実行の手法のPDCAのコツをメモを残す
PDCAのコツ
- リサーチ
- 先行研究を基に、前提となる計画の仮説やゴールに納得感が必要
- 実現可能性や勝ち筋の考察がないと途中で瓦解する
- 第一原理で演繹したり、経験豊富なキーパーソンの助言などが必要
- 目標(Goal)
- 目標は入力と出力で2つに分ける
- Exam(成果目標、結果目標、出力目標)
- 出力となる目標、最初は仮目標でも構わない
- これはuncontrollable
- 失敗時の責任は設計者(先生)になる
- Homework(行動目標、実行計画、入力目標)
- 入力となる目標、結果を変化させるための目標、プロセス
- これはwillによってcontrollable
- 失敗時の責任は実行者(生徒)になる
- また、目標は時間軸で逆算して3つに分解する
- マインドセット
- 目標への強いこだわり
- 目標達成へのあらゆる方法を試す
- 数字で厳密に試した方法を検証する
- 常にいい方法を探す
- 並列実行
- 目標に対して実行計画を複数策定する
- 複数の実行計画を並列で実行し効果があったものを残す
- 効果の測定はゴールに対して定量的に行う
- 確率
- 全ては仮説検証なので不確実性が高い
- 目標は不確実性の高い事なので、確率も加味して考える
- $確率変数 \times 確率 = 期待値$で、現実的な数字で考える
- チェック
- チェックは定量的に毎日必ずチェックする
- 必ず議事録を残す
- デイリー目標を達成したかの勝ち負けをつける
- PJTのPICが担当する
- 結果ではなくプロセスを一緒に改善する
- PDCAの意味
- P: 実験の仮説、前提、方法、条件、パラメータ
- D: 実験の試行
- C: 実験結果
- A: 実験結果の考察
- 行動の疎外理由
- 人間は無意識に下記の3つで論理的に行動を抑制している
- 心理的負担
- 習慣
- 内発的動機付け
- これに対しては予め対策を打つのがよい
- 背水の陣のようなコミットメントデバイスを用意する
- Red Buttonを用意する
まとめ
- PDCAの真の目的は数字を用いた長期間の仮説検証を毎日行う事
- PDCAはあくまで、「ある系における望む変化を起こす法則の入力条件を探す事」が目的
参考文献